帰省~コントロールの現場への帰還

親の要求に全力で応えた子供時代への追憶

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12月。今年のカレンダーも残すところあと一枚になりました。年末年始は実家へ里帰りする方も多いでしょう。普段は離れて暮らす両親と、数日間とはいえ密着して過ごすことになりますね。

自分の生き方のルーツである親子関係に向き合っている最中のクライアントさんたちは、このとき色々なことに気付きます。両親が孫に言う言葉、怒り方に「ああ、私も昔よく言われた・・・」と、過去がよみがえって怒りを感じたりします。

あるクライアントさんは「ああ、いつもこうだった。私はこの人たちの機嫌を取るのに必死だった」、そんな自分を思い出し、一人部屋にこもって泣いた、と教えてくれました。

カウンセリングをスタートした時、彼女は子供のころの記憶がほとんどありませんでした(そういうケースは少なくありません。抑圧されているのです)。彼女が “創った” 記憶の中では、両親は愛情深く完璧な人たちでした。そして、彼女自身も両親のように、完璧な親になろうと頑張っていたのです。

でも、カウンセリングの過程で、過去の記憶が少しずつ蘇ってきました。そこにいたのは本当は弱いのに必死に強がっている少女のような母親、自分が恐れていることを否定し、感じないようにしている父親・・・だったりします。彼らは自分の恐れに直面したくないがために、わが子に「私を安心させてくれ!」と無言の要求をしていたのです。

それが「コントロール」になっていました。そして幼い彼女は、その要求に全力で応えてきたのです。頭も良く、器用だったのでしょう、とても上手に機嫌を取ることができてしまったがために、親自身が『自分の弱さと向き合うチャンス』を逃してしまったのです。

それから数十年。両親は今また、孫から教えられています。孫はじいちゃんばあちゃんの言いなりにはなりませんからね。それにイラつく両親を見て、「前なら “じじとばばの機嫌を取りなさい” って子どもたちに言ったと思うけど、言わない自分がいました」と。そうそう、それでいいんですよ。

両親の新たな学び~孫はコントロール不可能!?

今、孫たちが思い通りにならないことで、「思い通りにならないこともあるんだ」と、「思い通りになることが愛じゃないんだ」と、両親は改めて学んでいるのです。そして子供たちにも同じように、学びの機会になります。

「おじいちゃんやおばあちゃんのような考え方をする人も、世の中にはいっぱいいるんだ」って知っておいたほうがいいんです。そのほうが両親を “理想のじじばば” に変えるよりもずっと現実的で、役に立ちます。

そういう人もいていいんです。生きていれば、そういう人ともこれからたくさん出会うからです。

問題はそういう考え方の違う人をどう尊重するか。同時に自分の考えや感情をどう尊重するか?です。お互いが「私たちはそれぞれ違うんだね」ということを受け入れるすべを学ぶのです。

あなたがその見本になってください。子供はそれを見て学びます。
起こることはすべて、無駄がありません。
なんて良くできているんでしょう♪